アクセシビリティスクリーニング方法論のガイドラインとチェックリスト(Accessibility Screening Methodology Guidelines and Checklist)
障害者のため、電子書籍リーダーとデジタルリーディングシステムのアクセシビリティをレビューするために
この文書はDAISY ConsortiumがTech For All, Inc.と協力して開発し、DAISY Consortiumが作成、配布するものである。この著作物はCreative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported ライセンスの下で提供されている。
Rev 1.0 - 2013年5月20日
目次
- 背景
- アクセシビリティスクリーニング方法論、規格及びプロセス
- 電子書籍リーダーアクセシビリティスクリーニングの手引き
- 電子書籍リーダーアクセシビリティスクリーニングの手続き
- 機能テスト
- おわりに
- 付録A: 重要なアクセシビリティ規格
背景
DAISY Consortium (以下、DC。www.daisy.org) はTech For All (以下、TFA。 www.TFAConsulting.com)と協力して、アクセシビリティスクリーニング方法論のガイドラインとチェックリスト (Accessibility Screening Methodology Guidelines and Checklist) を開発した。これは、電子書籍リーダーの評価に関する最新の情報と、電子書籍リーダーがどのようにすれば障害者(全盲者、ロービジョン、ろう者、難聴者、ディスレクシア、学習障害者、そして、移動に障害のある者))にとって最も効果的に機能するかを見分けるためのガイダンスを開発者と一般の人々に提供する。(以下、障害者のこのグループは、「規定された障害者」とする。また、本報告書では、用語「電子書籍リーダー」と「リーディングシステム」は同義であるとみなす。)
DCの主な目的は次のとおりである。
- ハードウェアおよびソフトウェアベースのリーディングシステムのアクセシビリティを体系的に評価するためのガイドライン(方法論)の開発。このガイドラインは、電子書籍リーディングシステムのために特に開発されたものである。
- 上で開発されたガイドラインをもとに構造化されたチェックリストの開発。このチェックリストによって、技術的な能力のあるユーザーはリーディングシステムのアクセシビリティについて構造化されたレビューが可能になるだろう。
アクセシビリティのベンチマークテストのために、WCAG 2.0 -レベルAAのアクセシビリティガイドラインを使用した。このガイドラインはリハビリテーション法1998年修正第508条(Section 508 of the Rehabilitation Act of 1998)のアクセシビリティ基準の要件に対応している。
シニアアクセシビリティエキスパートで構成されるDCとTFAのチームは、2012年9月から2013年5月の間にスクリーニングガイドラインを協力して開発した。この方法論は、エンドユーザーの評価を含め、チームの複数回の修正を経ている。チームは慎重に全ての知見を検討し、この最終版のアクセシビリティスクリーニング方法論のガイドラインとチェックリスト (Accessibility Screening Methodology Guidelines and Checklist)のドキュメントを組み込んだ勧告を開発した。
本報告書の本体はスクリーニングの実施のための、 方法論と電子書籍リーダーアクセシビリティスクリーニングの手引き と推奨される 手続きである。
アクセシビリティスクリーニング方法論、規格及びプロセス
DCの アクセシビリティスクリーニング方法論は機能のアクセシビリティと電子書籍リーダーの特徴をユーザーの視点から測定することに焦点を置いている。この方法論を用いた評価は、重要なアクセシビリティ基準のサンプリングに基づくだろう。この手引きによって評価者は、電子書籍リーダーにある指定された障害者にとってのアクセシビリティとユーザビリティ上のバリアを識別し、検証することができる。
アクセシビリティのベンチマークテストを行うガイドラインとして、リハビリテーション法1998年修正第508条(Section 508 of the Rehabilitation Act of 1998)のアクセシビリティ基準の要件に対応する World Wide Web Consortium (W3C) の Web Content Accessibility Guidelines (WCAG 2.0 – レベルAA) を使用した。特に注意を要するWCAG 2.0アクセシビリティガイドラインの重要な要素は付録Aに示されている。
このスクリーニングの手引きは基本的に、機能やベンチマークタスク(ユースケース)に合格、不合格の割り当てをするためのものである。アクセシビリティの障壁のための改善策を識別することは、この方法論の目的ではない。このスクリーニング方法論は、完全なアクセシビリティ評価の提供やアクセシビリティ基準に対する適合性の測定を目的としていない。例えば、 デザインの問題など、この手引きはアクセシビリティ および/または ユーザービリティの障壁の根本的な原因を測定するために設計されてはいない。
スクリーニングのプロセス:
この方法論は、技術的に知識のある人間が電子書籍リーダーのアクセシビリティを基礎レベルで評価を行うに際しての支援を目的としたスクリーニングツールであることを意図している。手続きは、電子書籍リーダーの主な機能や用途の大部分に踏み込み、これらの機能のそれぞれについて主なアクセシビリティの要件を指摘する。
スクリーニングの手続きは、各項目に適切に対処するため、充分な技術的なスキルとアクセシビリティ上の課題についての知識を備えた経験豊富な者が使用することを想定している。しかし、経験豊富な検査者による検査であっても、スクリーニングの手続きから出された結果を電子書籍のアクセシビリティトユーザビリティの完全な評価を適切に行ったものと同等とみなすべきではない。完全な評価が求められる場合は、WAIのユーザーエージェントガイドライン(User Agent Accessibility Guidelines)が有用な参考となりうる( http://www.w3.org/TR/UAAG20/ )。
この報告書の残りのセクションでは、一般的なアクセシビリティスクリーニングの手引きと手続きを説明し、障害のあるユーザーのグループごとに固有のアクセシビリティ上の障壁に関する詳細な技術情報を提供する。
電子書籍リーダーアクセシビリティスクリーニングの手引き
電子書籍リーダーをアクセシブルにするためには、次の2つの要件を正常に対応しなければならない。
- ソフトウェア、ハードウェアまたはファームウェアにとって、すべての機能とコントロールがアクセス可能でなければならない。
- DAISYやアクセシブルEPUB3のような、標準化されたフォーマットで適切に用意されたアクセシブルなコンテンツが提供される時、リーディングシステムはその特定の障害者にとってアクセシブルである方法によって、そのコンテンツをユーザーに届けなければならない。
特定の障害を持つにとってアクセシブルであるためには、電子書籍リーダーはそのようなユーザーの特定の要件を満たすように設計される必要がある。例えば、
- マウスやタッチスクリーンインタフェースだけではなく、キーボードによって全てのコントロールができなければならない。
電子書籍リーダーは次のようであるべきである。
- 自身で合成音声機能を備えるか、ユーザーのスクリーンリーダー(VoiceOverのようなオペレーティングシステムの支援技術を含む)と統合する。
- コントラストと拡大の調整機能を提供したり、利用者の画面拡大ソフトウェアと統合することができる。
- 点字ディスプレイをサポートしている。
身体障害のあるユーザーの場合は、音声認識ソフトウェアとの統合、ボタンのアクセシビリティ、スイッチなどの任意のボタンを使用する可能性も考慮すべき事項に含まれる。ろうや難聴のユーザーは、以下のスクリーニングの手続きにあげられた機能に加えてキャプション表示のサポートも求められるだろう。(注意: MathMLとアクセシブルな画像表現のサポートは、将来的に必要不可欠な要件とみなされるだろう)。
電子書籍リーダーアクセシビリティスクリーニングの手続き
スクリーニング評価の基準
以下のチェックリストおよび機能テストは、電子書籍リーダーのアクセシビリティを評価する目的で使用されるために設計された。一部の電子書籍リーダー(特にハードウェアの電子書籍リーダー)は、以下に一覧した要件を全て満たすことができないかもしれない。スクリーニング基準にある考慮事項は、障害のグループごとのユニークなアクセシビリティ要件の優先順位を決定するために使用することができる。以下のセクションにある機能テストは、アクセシビリティをテストするために必要なキーとなる各機能を一覧している。
スクリーニング基準 - 支援技術のサポートとアクセシビリティ
リーディングシステム(ハードウェアまたはソフトウェア)を着実にレビューし、以下のキーとなる機能の有無を確認するためにこのスクリーニングの手続きの使用する。スクリーニングテンプレートは、システムの合格、不合格の評価によって様々な電子書籍リーダーを評価するために設計されている。
製品のテスト
製品名 / バージョン | |
---|---|
システム情報 |
|
評価ツール(名前 / バージョン) | 支援技術(例 JAWS v.14、VoiceOver) |
ステップ1:機能テストのセクションに移動し、電子書籍リーダーの重要な点のそれぞれについて慎重に評価する。個々の答えを明確にするために必要に応じてコメント欄のスペースを使用する。
ステップ2:必須要件が全てが満たされているかどうかをまとめる。
機能テスト
キーボード、マウスまたは他の入力装置を用いて単独でテストを行うことができるかどうかを確認するため、ステップのそれぞれでそのテストを実行することで、以下の機能テストを適用する。機能テストの全ては、スクリーンリーダー 及び/または 電子書籍リーダーが備える合成音声に対してアクセシブルであるべきである。(注意事項:機能テストのExcelスプレッドシートも利用可能である )。これらのテストの一部は、テストされるデバイスの性質(例えば、利用できるビューポイントがない場合など)によっては適用されないだろう。そのような場合には、コメント欄に"NA"(not applicable : 適用せず)とマークする。
1. ファイル管理テスト: 次の作業をキーボード、マウス、そして、タッチ/ジェスチャによって実行し、それぞれ完全にアクセス可能かどうかを確認する。
作業 | 基準 | キーボードでアクセス可能 (合格/不合格) |
マウスでアクセス可能 (合格/不合格) |
タッチ/ジェスチャーでアクセス可能 (合格/不合格) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
OS アクセシビリティ | 基本 | ||||
リーディングシステムを独立して起動する | 基本 | ||||
ドキュメントを購入または入手し、それを本棚に入れる | 基本 | ||||
ドキュメントを開く | 基本 | ||||
本棚上の利用可能なドキュメントをリストとして一覧する | 基本 | ||||
本棚の本の検索すること | 高度 | ||||
ドキュメント情報(ページ数、出版日など)へアクセスする | 高度 | ||||
ドキュメントのコレクションを作成する | 高度 | ||||
重大なバグ |
2.読書テスト: リーディングシステムが一覧されている機能を持っているかどうかを個別に測定するために次の読書に関係する作業を実行し、確認する。もし作業がユーザーのインプットを求めるならば、キーボード、マウス、タッチ/ジェスチャでアクセス可能かどうかも実行し、確認する。
作業 | 基準 | 作業
(合格/不合格) |
キーボードでアクセス可能
(合格/不合格) |
マウスでアクセス可能
(合格/不合格) |
タッチ/ジェスチャーでアクセス可能
(合格/不合格) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
「ここから読み込む」を開始する(最後の読み取り位置またはフォーカス位置からの読み込み) | 基本 | |||||
読書を中断し、後で同じ読みの場所で再開する | 基本 | |||||
読む順序: すべてのテキストは、適切な順序で読まれるべきである | 基本 | NA | NA | NA | ||
画像のaltテキストを読む | 基本 | NA | NA | NA | ||
読み取り速度(より速く、より遅く)を変更する | 基本 | |||||
アプリケーションやOSを経由して読み上げるボリューム(より大きく、より小さく)を変更する。 | 基本 | |||||
見出し、パラグラフ、リスト、アイテムなどを指し示すための一時停止がTTSによって可能である。 | 基本 | NA | NA | NA | ||
サイドバー、注釈、プロデューサー·ノートなどのようなスキップ可能な構造体の読み上げをオフにするオプション | 高度 | |||||
ユーザによって選択された選択肢に応じて画像の説明をレンダリングする。 | 高度 | |||||
ページビュー(ページ単位のコンテンツ遷移)をスクロールする | 高度 | |||||
発音辞書のサポート | 高度 | NA | NA | NA | ||
定義を参照して読む | 高度 | |||||
MathMLを読む | 高度 | |||||
重大なバグ |
3. ビジュアル調整テスト: 次の作業をキーボード、マウス、そして、タッチ/ジェスチャによって実行し、それぞれ完全にアクセス可能かどうかを確認する。
作業 | 基準 | キーボードでアクセス可能
(合格/不合格) |
マウスでアクセス可能
(合格/不合格) |
タッチ/ジェスチャーでアクセス可能
(合格/不合格) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
文字サイズを変更する | 基本 | ||||
フォントの色を変更する(システムカラーへの変更を尊重してもよい) | 基本 | ||||
背景色を変更する(システムカラーへの変更を尊重してもよい) | 基本 | ||||
ハイライトテキストの色を変更する | 基本 | ||||
ハイライトテキストの背景色を変更する | 基本 | ||||
明るさを変更する | 基本 | ||||
事前定義されたスタイルのテーマを選択する、または、高コントラストシステム設定を尊重する | 基本 | ||||
UI倍率をサポートする | 基本 | ||||
テキスト、単語、行間を変更する | 高度 | ||||
配置(左、中央、右)を変更する | 高度 | ||||
余白を変更する | 高度 | ||||
ユーザの表示に関する設定(スタイルシート)を保存する | 高度 | ||||
全てのスタイルを削除する | 高度 | ||||
ページ分割されたものからスクロールビューに変更する。 | 高度 | ||||
単一ページのビューから2つのページが並んだビューに変更する。 | 高度 | ||||
サムネイルからテキストビューに変更する | 高度 | ||||
重大なバグ |
4. ナビゲーションテスト: 次の作業をキーボード、マウス、そして、タッチ/ジェスチャによって実行し、それぞれ完全にアクセス可能かどうかを確認する。
作業 | 基準 | キーボードでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
マウスでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
タッチ/ジェスチャーでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
目次ナビゲーション(目次を使用して章に移動する) | 基本 | ||||
見出しによって、ドキュメントをナビゲートする | 基本 | ||||
ページによって、ドキュメントをナビゲートする | 基本 | ||||
次のテーブルに移動する | 基本 | ||||
同じテーブル内のナビゲーション(例えば、次のセルまたは行への移動など) | 基本 | ||||
ページ内のナビゲーション(行、段落、リスト、図、サイドバーなど) | 基本 | ||||
リフローしたページ番号でナビゲートすることができる | 基本 | ||||
同じ本の中であるページから別の場所へのハイパーリンクナビゲーション | 基本 | ||||
文字、単語、行、文または段落で読み上げる | 基本(選択した言語を利用することができるTTSがあるという条件で) | ||||
ナビゲーション情報のアナウンス(ページ番号、現在いる構造的な階層の位置 および/または見出し) | 基本 | ||||
再生中に次のアイテムにエスケープ/移動する | 基本 | ||||
文字の文字列を検索し、その結果に移動する | 基本 | ||||
定義を読み、読んでいた場所に戻る | 高度 | ||||
音声認識を使用したナビゲーションコマンドをサポートする(組み込み/サードパーティ/ OSによって提供される) | 高度 | ||||
現在位置の確認(「私はどこ?」機能) | 高度 | ||||
重大なバグ |
5. 注釈: 次の作業をキーボード、マウス、そして、タッチ/ジェスチャによって実行し、それぞれ完全にアクセス可能かどうかを確認する。
作業 | 基準 | キーボードでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
マウスでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
タッチ/ジェスチャーでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
ブックマークを追加する | 基本 | ||||
全てのメモとブックマークを表示する(そして、必要に応じて読み込んだ場所に戻る) | 基本 | ||||
単一のメモを表示する(そして、必要に応じて読み込んだ場所に戻る) | 基本 | ||||
メモを追加する | 基本 | ||||
テキストをハイライト表示する | 高度 | ||||
メモやブックマークのコピーやエクスポートする | 高度 | ||||
ノートとブックマークをインポートする | 高度 | ||||
重大なバグ |
6. メディア: 次の作業をキーボード、マウス、そして、タッチ/ジェスチャによって実行し、それぞれ完全にアクセス可能かどうかを確認する。
注意事項: 目標は全てのメディア機能が完全にアクセシブルにすることである。現時点では、基本/高度の基準は "TBD"(to be determined : 未定)にする必要がある。
作業 | 基準 | キーボードでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
マウスでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
タッチ/ジェスチャーでアクセス可能
(合格/ 不合格) |
備考 |
---|---|---|---|---|---|
動画のキャプションにアクセスすることができる | TBD | ||||
ビデオの音声ガイドにアクセスすることができる | TBD | ||||
音声をテキストに書き起こしたものにアクセスすることができる | TBD | ||||
Media Overlaysに対応している | TBD | ||||
音声のみの電子書籍を読むことができる | TBD | ||||
インタラクティブメディア(JavaScript)の対応 | TBD |
ステップ2: 必須要件
以下の表にある必須要件の全てが満たされているかどうかを要約する。これらのテストの中には、テストされるデバイスの性質(例えば、視覚ディスプレイのない再生機器など)によっては適用されないだろう。そのような場合には、コメント欄に"NA"(not applicable : 適用せず)とマークする。
機能 | 成功 (合格/不合格) |
備考 |
---|---|---|
すべての機能へのキーボードによるアクセス | ||
すべての機能へのマウスによるアクセス | ||
すべての機能へのタッチ画面によるアクセス | ||
スクリーンリーダー/合成音声への対応 | ||
点字ディスプレイへの対応 | ||
ビジュアル調整が利用可能 | ||
外部スイッチ、大型キーボードなどとの統合 | ||
サポートされている高度機能(簡単なコメントを加えてもよい) | 詳細については、テストケースを参照すること。 |
おわりに
上に示したガイドライン、ツール、および手続きは、電子書籍リーダーの基本的なアクセシビリティのレビューをユーザーが行えるように設計されている。任意の電子書籍リーダー(ハードウェアまたはソフトウェアの電子書籍リーダー)がアクセシビリティのために指定された基準を満たしているかどうかを判定するためのツールを技術的に優れたユーザに提供することが、この取り組みの目的である。アクセシブルな読書体験を読者に届けるため、電子書籍リーダーの機能の基本的な評価を行うことを目的にここで提示されたこの方法論は、国際規格に基づいている(付録 A).。これらのスクリーニングガイドラインが有用なレビューを提供するが、詳細な評価を提供するものではないことを心に留めておくことが読者に推奨される。完全な評価を行うには、有能なユーザーによるテストでレビューを補完しなければならない。
付録A: 重要なアクセシビリティ規格
アクセシビリティのベンチマークテストのためのガイドラインとして、TFAはWorld Wide Web Consortium(W3C)のWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG 2.0 – レベルAA) を使用した。このガイドラインはリハビリテーション法1998年修正第508条(Section 508 of the Rehabilitation Act of 1998)のアクセシビリティ基準の要件に対応している。下の表では、特別な注意が必要になる重要な要素のいくつかを強調している。
このスクリーニングの手続きで仕様される適用可能なアクセシビリティ規格 | ソフトウェア·アプリケーションの場合:
|
WCAG 2.0から重要な考慮事項 |
ガイドライン 1.1 代替テキスト:全ての非テキストコンテンツには代替テキストを提供する。 1.1.1 非テキストコンテンツ(レベル A): 全ての画像、フォームのボタン画像、イメージマップホットスポットには、適切で同等の目的を果たす代替テキストがある。 ガイドライン 1.4 - 色とコントラスト: 内容を伝えるまたは視覚的な要素を区別する唯一の手段として色を使用しない。リンクと周囲にあるテキストの輝度コントラスト比が少なくとも3:1かつそのリンクにポインタが当てられた時またはフォーカスがそのリンクに移動した時に、そのリンクに追加の区別(アンダーラインが表示されるなど)が提供されていない限り、そのリンクテキストと周囲にあるテキストを区別する目的で色のみを使用しない。テキストあるいは画像化されたテキストは少なくとも4.5:1 のコントラスト比を持たせる。サイズの大きなテキスト(18ポイント以上または14ポイント以上の太字)は少なくとも3:1のコントラスト比を持たせる。 ガイドライン 1.2 - キャプションと説明テキスト : 収録済みでウェブベースの音声(音声ポッドキャスト、MP3ファイルなど)に説明のための書き起こしのテキスト(全ての関係する視覚的及び聴覚的なキューやインジケーターを含む)を提供する。収録済みでウェブベースの映像しか含まないメディア(音声トラックを持たない映像など)にテキストまたは音声ガイドを提供する。収録済でウェブベースの映像(Youtubeの映像など)に対して同期されたキャプションを提供する。 ガイドライン 2.1 キーボード操作可能(レベルA) : すべての機能をキーボードから利用できるようにする。全てのページが機能的にキーボードで利用可能である。ショートカットキーやアクセスキー(アクセスキーは通常避けられるべきものである。)は既存のブラウザやスクリーンリーダーのショートカットと衝突しない。キーボードのフォーカスは特定のページの要素で決してロックされたり、閉じ込められたりしない。ユーザーは全てのナビゲーション可能なページの要素へナビゲートすることができ、全てのナビゲーション可能なページの要素からナビゲートすることができる。 ガイドライン 4.1 ロバスト性:現在および将来の支援技術を含むユーザエージェントとの互換性を最大化する。 |